|

MC
4.ツールと主軸の熱変位
MCの加工精度(段差)が時間の経過と共にどのような変化をするか調べた。
1.条件
注 データに影響しないと思われる所の数値は変えてありますので、ご了承下さい。
1)使用MC
5番 横タイプ(BT50)
主軸最高回転数=4500rpm
各軸位置決め方式=閉ループ(スケールフィードバック)
主軸クーラ温度設定=室温同調
専用基礎=無し
使用期間=約15年
2)加工内容
被削材 =FC300
回転数 =2000rpm
ツール長=約250ミリ
刃物材質=H1(スローアウェイチップ コーティング無し)
工具径=20ミリ
加工代=0.03ミリ
切削送り=毎分100ミリ
切削液=未使用
3)加工前準備
ツール主軸装着後、主軸回転の暖機運転(空回し)を約15分行いその後実加工した。
4)加工結果測定方法及び読みとり方法
最初目盛り0.002のピックを使用したが面荒さ(1.6a)の影響で読みとり難さもあった為。万分台は繰り上げ記録した。
例 0.001(1目盛りの半分)と0.002の中間の場合は0.002ミリと記録した。
5)グラフについて
折れ線が途絶えている所は、測定出来ない箇所か、測定しなかった所と考えてください。
2.加工結果の段差
2.1 サンプル1
1) 実加工開始から約600ミリ2パス時の相対関係における段差。

2) 実加工開始から12分〜30分迄の3パスにおける各位置相対関
係の最大段差。

2.2 サンプル2
1) 実加工開始から約600ミリ2パス時の相対関係における段差。
未測定だが、最大5マイクロン程度あるような接触感じだった。
2) 実加工開始から12分〜30分迄の3パスにおける各位置相対関係の最大段差。
3.ツールと主軸の温度変化
別の日にほぼ同じ条件(S2000)で各所の温度をほぼ2分毎に調べた。
3.1 温度測定場所

3.2 測定結果

上記グラフから分かるように、回転開始から15前後まで、ツール外周及び主軸端面・主軸内テーパ部・ツールテーパ外周部の温度の上昇具合がが分かる。
4.主軸クーラの影響
直上グラフで分かるように主軸頭外周部は極端な温度変化がないが主軸内テーパ部温度は急上昇し高め安定する傾向がある。その影響がツール外周の温度変化に現れ加工結果に影響すると考える。ちなみに15分の暖機目的の空回しをしないですぐ加工すると、1パスと2パスの段差は0.015〜0.02ミリ発生した。
5.低速の場合の温度変化
注 上記3.(ツールと主軸の温度変化)の試験後、約2時間経過してから行った。
条件を下記にして温度測定して見た。
主軸回転=350rpm

低速の場合、主軸内テーパ・ツール外周・ツール外周・主軸端面共温度上昇が余り上がらず、当たり前ですけど発熱の少ないのが分かる。
6.オーバーホール後の温度変化
ここで使用したMCの主軸をオーバーホールしたので、再度温度変化を調べた。
注 OHはNTテーパ部研削・ベアリング交換、ツール先端(ゲージラインから約150前後)部の伸び量も同時に測定した。
※測定具は0.001目盛りのダイヤルゲージを使用した
6.1 主軸回転数2000rpm

オーバーホール前は(このページの3→3.2参照)18分後にツール外周テーパ部が6度C上昇したが、OH後は2度C一寸に収まった。また今回追加測定したツールの伸びですが、通常温度が上がると伸びると思われるが、ここでは収縮する傾向にあった(5ミクロン)。もしかしたら室温の低下と同時にツール外周の温度も下がっているので、それが原因かも知れません。
6.2 主軸回転数4000rpm

前回測定しなかったS4000のデータですが、OH前のS2000と比べても発熱が少ないのがわかる。こちらは正常に(?)ツール端部が伸びましたが、室温の低下に追従するように後半収縮傾向にあります。
6.3 備考
OH=新品と解釈すると使用期間が増える事にベアリングの磨耗等で抵抗が増えたり、主軸の干渉等でBBの外輪と内輪に微量の傾きがでたりして回転精度が悪化したりする為に発熱が増えると思われる(たぶん)。テーパ精度が落ちて来たら、テーパのセルフ研削だけでなく、ベアリングも交換した方がいいかも知れまんね。
前へ 次へ
トップ→資料室→MC→●4.ツールと主軸の熱変位
|